月影(和歌七首)


あまのはら ふりさけみれば 春日なる
三笠の山に いでし月かも

安倍仲麿


月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ
わが身ひとつの 秋にはあらねど

大江千里


めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに
雲がくれにし 夜半の月かげ

紫式部


あさ緑 花もひとつに かすみつつ
おぼろに見ゆる 春の夜の月

菅原孝標女


われひとり 鎌倉山を こえゆけば
星月夜こそ うれしかりけり

藤原実成女


木の間洩る かたわれ月の ほのかにも
誰かわが身を 思ひいづべき

行尊


明けばまた 越ゆべき山の 峰なれや
空行く月の 末の白雲

藤原家隆


◇HOME:グレゴリウス漫画