衣笠の蛇紋岩(撮影:2008年5月12日)


1)神奈川県横須賀市のJR衣笠駅。北側の改札を出て、駅の南側へまわります。


2)衣笠駅のすぐ南に、「衣笠蛇紋岩体」の露頭があります。


●蛇紋岩(Wikipedia)

蛇紋岩は、橄欖岩などの超塩基性岩類が水と反応し、蛇紋岩化作用を受けることで生成すると考えられています。蛇紋岩化作用は主に超塩基性岩類中の橄欖石で起こり、橄欖石と水から蛇紋石と磁鉄鉱が生成される反応で表されます。蛇紋岩は風化作用を受けやすく、もろくて崩れやすい性質があります。また、岩石表面が滑りやすく、断層などの滑り面には強い鏡のような光沢が形成されることもあります。


3)『急傾斜地崩壊危険区域』の表示板。


4)「衣笠蛇紋岩体」の露頭の右側。


5)破砕の進んだ蛇紋岩(露頭の右側)。


6)光沢のある蛇紋岩(露頭の右側)。


7)「衣笠蛇紋岩体」の露頭の左側。


8)黒色の蛇紋岩(露頭の左側)。


9)蛇紋岩の落石の剥離面(露頭の左側)。


10)次に、横須賀市平作の万葉公園へ向かいます。

調べたところ、手前は都市計画道路「金谷駿河坂線」ですが、この線は直進するのか、ここが終点か、分かりません。交差するのは都市計画道路「久里浜田浦線」ですが、左方向は未開通のようです。道路工事によって、このあたりにあった「万葉公園」は消滅したということです。


11)側道へ下りて、平作川の畔を進みます。


12)平作川が道路をくぐるあたりに、案内板が建っています。


13)『横須賀市指定天然記念物、三浦枕状溶岩』の案内板。

枕状溶岩は、玄武岩などの溶岩が水中に流出した時に溶岩の周辺部が急冷却されることによってできる岩石です。

1973年に平作川の上流の露頭で発見されたものは、約4500万年前に太平洋深海の海底火山の噴火によって流出した溶岩です。

この溶岩は、非常に長い時間をかけて三浦半島まで運ばれて堆積したと考えられており、三浦半島で確認された最古の岩石です。

プレートテクトニクスに代表されるようなダイナミックな三浦半島(および房総半島)の成立の過程を示す貴重な資料です。


14)枕状溶岩。川の護岸の一部が窓枠のように開かれて、露頭が遠望できます。


15)同じく枕状溶岩。


16)平作川の枕状溶岩の上の道路は、久里浜田浦線の万葉橋でした。


17)万葉橋の標柱。


18)久里浜田浦線を進んで、横須賀市しょうぶ園のあたりを振り返ります。


19)久里浜田浦線の阿部倉トンネル。


20)横須賀インター入口交差点。県道27号線へ入って、葉山方面へ進みます。


21)県道27号線の池上六丁目交差点。


22)交差点の手前、葉山テニスクラブの看板が出ている道に入り、坂を上ります。


23)阿部倉トンネルの真上あたりに「池上蛇紋岩体」の露頭があります。


24)「池上蛇紋岩体」の露頭。


●横須賀市の蛇紋岩体(横須賀市役所三浦半島地盤研究会)

横須賀市中部の池上・衣笠・平作の地域には、点在的に蛇紋岩体が露出しています。これらの地域は、地すべり危険地帯となっています。

蛇紋岩は、地下深部のマントル物質であるハルツブルグ岩とダンカンラン岩が深海底へ上昇し、水を含んで風化した堆積岩です。

横須賀市の超塩基性岩類は、千葉県の嶺岡帯の蛇紋岩類との比較研究の結果、両地域の蛇紋岩類は、同様な時代と環境のもとで誕生したことを示しています。池上において枕状溶岩が発見されたことによって、平作の三浦枕状溶岩と同様に4500万年前のものと考えられます。

これらの蛇紋岩体は、純粋な火成岩でなく、海底に露出していたものが二次的に崩壊して深海底に再堆積し、葉山層に付加したものと考えられます。


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