真鶴の安山岩(撮影:2009年10月21日)


1)JR東海道線の真鶴駅付近から、本小松石の採石場を望みます。


●平塚市博物館・石材図鑑『本小松石』

本小松石は、真鶴駅北西側の山麓緩斜面を構成する箱根古期外輪山溶岩の内の一枚の溶岩で、厚さ40メートル以上あります。灰色緻密の複輝石安山岩で、斑晶鉱物として斜長石をわずかに含みます。流理構造はほとんど認められず、柱状節理がよく発達します。

本小松石は墓石・間知石・割栗石・砕石に使用されています。東海道線より山側の真鶴町岩地区で二十余社が現在でも採掘しています。真鶴半島産の新小松石に比べて、より緻密で細粒なのが特徴です。

「石工先祖の碑」によれば、真鶴の石材の採掘は、保元平治の乱後(1160年頃)、土屋格衛が始めたとされ、その後筑前からの石工により発展しました。古くは鎌倉材木座海岸の和賀江島(鎌倉期の港)や、鎌倉極楽寺の「忍性の墓」などに真鶴の石材が現存しています。真鶴が石材の産地として発展したのは、江戸時代以降に小田原城や江戸城の改修工事に多量の石材を供給してからといわれます。


2)真鶴駅改札口を出て真鶴歩道橋を渡り、神奈川県道740号線を小田原方面へ進みます。


3)県道740号線沿いの竹林石材店。


4)石割によって租加工された本小松石(竹林石材店)。


5)県道740号線沿いの小倉石材店。


6)県道740号線沿いの採石場入口。『本小松石生産地』の看板が建っています。

看板の左面には相良石材店・朝倉石材・東鉄工業・間瀬石材店・青木守石材店・遠藤石材店の六社、右面には芦澤石材・亀川石材店・青木一雄石材商店・マルエ石材店・竹林石材店の五社が記されています。

この先で道が分岐し、左に進むと左面の会社、右に進むと右面の会社の岩石採取場があるという仕組みです。ただし、会社には多少の入れ替わりがあるようです。


7)道を登り、先ず、分岐点から左へ進みます。


8)真鶴駅から見えた採石場へ出ました。

左は遠藤石材店採取場、右は天野興業採取場らしいです。岩石採取場の土地は真鶴町の所有ということです。


9)手前は間瀬石材店の建屋、奥は天野興業採取場です。


10)間瀬石材店の建屋の横から、天野興業採取場を望みます。


11)間瀬石材店の建屋の前に積まれた本小松石。


12)本小松石(複輝石安山岩)、神奈川県足柄下郡真鶴町岩産、箱根古期外輪山溶岩。

表面は酸化して赤褐色をしていますが、新鮮な面は灰色から灰緑色を呈します。


13)本小松石(複輝石安山岩)、神奈川県足柄下郡真鶴町岩産、箱根古期外輪山溶岩。

白っぽい鉱物は斜長石、黒っぽい鉱物は輝石です。


14)遠藤石材店の建屋。


15)遠藤石材店採取場の上部の崖。左下に板状節理、右上に柱状節理が見えます。


16)安山岩の板状節理(神奈川県足柄下郡真鶴町岩)。


17)安山岩の板状節理(神奈川県足柄下郡真鶴町岩)。


18)分岐点へ戻り、右の道を進みます。


19)マルエ石材店の建屋。


20)マルエ石材店の油圧ショベル。


21)マルエ石材店採取場から谷を隔てた対岸に、崖が広がっています。


22)崖の中央上部。青木東男石産の油圧ショベルが見えます。


23)前画面の下へ移動。谷底の道が見えます。


24)前画面の左へ移動。竹林石材店の油圧ショベルが見えます。


25)崖の右上部。海野石材店の油圧ショベルが見えます。


26)前画面の下へ移動。崖に金属光沢があるように見えます。


27)崖の左上部。溶岩層の上を、赤紫色の層と黄褐色の層が覆っています。

上の層から流出した泥によって、下の層の表面が変色しています。画面21を見ると、変色は広範囲に及んでいます。


28)赤紫色の層は火山砕屑岩、その上の黄褐色の層は関東ロームらしいです。

謝辞:撮影にあたり、コロナ社『新版神奈川県地学のガイド』の片野佳子「真鶴半島」を参照させていただきました。


写真117「真鶴岬と三ツ石」もご参照ください。


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