ヘリオポリス九神


■ヘリオポリス九神

ヘリオポリス九神(エネアド)は、エジプト神話の中のヘリオポリス創世神話に関わる九柱の神々です。

図は、『死者の書』に描かれた神々です(Wikipediaより)。


■系譜

創造神アトゥムは、大気の神シューと湿気の女神テフヌトを生みます。シューとテフヌトは夫婦となり、大地の神ゲブと天空の女神ヌトを生みます。ゲブとヌトは夫婦となり、オシリス、イシス、ネフティス、セトの四人を生みます。


■アトゥム

アトゥムは、ヘリオポリス神学における天地創造の神です。原初の水ヌンから生じた原初の丘ベンベンに出現し、大気の神シューと湿気の女神テフヌトを生みます。さらにこの二神から大地の神ゲブと天空の女神ヌトが生まれ、天地が創造されます。アトゥムは、後には太陽神ラーと習合して、ラー・アトゥム神となります。

図は、上下エジプトを表す白と赤の二重冠を被ったアトゥムです。


■シューとテフヌト

シューは大気の神、テフヌトは湿気の女神です。この兄妹は夫婦となり、大地の神ゲブと天空の神ヌトをもうけます。子供たちが抱き合っているところをシューが無理矢理引き離し、天と地とが分かれます。テフヌトは、雌ライオンもしくはライオンの頭を持った女神として描かれます。

図は、ライオンの頭を持った女神テフヌトです(Wikipediaより)。


■ゲブとヌト

ゲブは大地の神、ヌトは天空の女神です。この兄妹は夫婦となり、最初は隙間なくくっついていましたが、父のシュウ(空気)によって引き離され、現在の姿になりました。ゲブはヌトに少しでも近づこうと山々を作り出しました。夫婦は、オシリス、イシス、ネフティス、セトをもうけます。

図は、横たわったゲブ(大地)の上にシュー(大気)が立ち、ヌト(天空)を支えている姿です。


■オシリス

オシリスは、ゲブとヌトの長子です。生産の神として、また、エジプトの王として君臨し、人々の絶大な支持を得ましたが、これを妬んだ弟のセトに謀殺されました。遺体はばらばらにされ、ナイル川に投げ込まれましたが、妻であり妹でもあるイシスによって拾い集められ、ミイラとして復活します。以後は冥界の王として君臨し、死者を裁くことになります。他方で、自身の遺児ホルスをイシスを通じて後見し、セトに奪われた王位を奪還してホルスに継承させます。現世はホルスが、冥界はオシリスが統治することになりました。オシリスは、王冠をかぶり,体をミイラとして包帯で巻かれて王座に座る男性の姿で描かれます。

図は、オシリスをミイラとして復活させているイシスです。アヌビスがミイラを支えています。


■イシスとネフティス

イシスは、オシリスの妹であり妻、ホルスの母です。ネフティスは、オシリスとイシスの妹、セトの姉であり妻です。セトと子供を作ろうとするが拒まれ、その代わりにオシリスを酒で酔いつぶし、彼との不倫によってアヌビスを生みます。セトにそむいてオシリスの復活のためにイシスに協力し、死者の守護神となります。

図は、『死者の書』に描かれたイシスとネフティスです(Wikipediaより)。


■セト

セトは、ゲブとヌトの間に生まれた、オシリス、イシス、ネフティスに続く四番目の子供です。王権獲得のため、母ヌトの産道を通らず、子宮を破って生まれ出ましたが、オシリスより先に生まれる事はできませんでした。姉ネフティスを妻としましたが、息子アヌビスは兄オシリスとネフティスの不義の子でした。

図は、ファラオに戴冠するセトとホルスです(Wikipediaより)。歴代王朝のファラオは、自身が最強神兄弟オシリスとセトの相続人であり、ホルスとセト、つまりは上下エジプトの地位の合体であるとして、その権威を民衆に誇示していました。


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