原核細胞と真核細胞


■細胞

細胞は生物の最も基本的な構成単位です。ウイルスを除き、全ての生物が細胞から成り立っています。一つ一つの細胞が独立して生きていく単細胞生物、同じような細胞が集まってコロニーや群体を形成して一緒に生きていく生物、一つ一つの細胞に分かれては生きていけないほど特殊化した細胞からなる多細胞生物など、様々の形態があります。

図は、培養ヒト細胞=真核細胞へ侵入するサルモネラ菌=原核細胞の走査電子顕微鏡写真です(アメリカ国立衛生研究所)。


■原核細胞と真核細胞

細胞はその内部構造から原核細胞と真核細胞に分けられます。これらの最も大きな差異は、核膜を備えた細胞核(真核)の有無です。原核細胞は真核細胞に比べ、構造が単純です。真核細胞は一般的に原核細胞よりも大きく、場合によっては1000倍以上の体積を持つこともあります。


■生物の系統樹

生物は、最上位の分類で三つのドメインに分けられます。進化的には真正細菌は遠縁、古細菌と真核生物は近縁とされます。真正細菌と古細菌は原核細胞で構成され、まとめて原核生物と呼ばれます。真核生物は真核細胞で構成されます。真核細胞は、その細胞膜の内側にさまざまな細胞小器官を有していますが、ミトコンドリアと葉緑体は細胞に取り込まれた真正細菌が共生したものと考えられています。


■原核細胞

原核細胞は、構造的に三つの領域に分けられます。第一は、鞭毛や繊毛と呼ばれる細胞表面の付属器官です。第二は、皮膜、細胞壁、原形質膜などから成る細胞の外皮です。第三は、細胞ゲノム(DNA)、リボソーム、各種の封入体などを含んだ細胞質の領域です。


■真核細胞(動物)

動物のさまざまな組織を形成している動物細胞は、真核細胞の一形態です。植物細胞のような硬い細胞壁がないので、柔軟に多様な形状をとることができます。

真核細胞では、細胞核は必要な物質のみを透過する孔の開いた二重の膜で覆われており、核液と遺伝情報を保持する DNA を含んでいます。細胞内にはさまざまな細胞小器官があります。細胞のその他の部分は細胞質とよばれ、細胞骨格によって支えられています。


■真核細胞(植物)

植物細胞も真核細胞の一形態です。動物細胞と比べていくつかの顕著な特徴があります。周囲は硬い細胞壁で覆われ、隣接する細胞同士は細胞壁に開いた小孔を介して原形質連絡により結合されています。中央には細胞膨圧を調整するための大きな液胞があります。葉緑素を含んだ葉緑体により光合成を行うことができます。


■細胞の構成要素と機能(補足説明)

全ての細胞は細胞膜、細胞質、染色体、リボソームといった共通の構成要素を持っています。外界から内部を隔てる構造が細胞膜です。細胞膜は脂質二重層から構成されています。その内部には生体物質を含む水溶液があり、代謝の場を提供しています。生体物質としては、構造や代謝に機能するタンパク質、遺伝情報を担う DNA、エネルギー源や情報源としての脂質や糖質が含まれます。これらの生体物質は集合してより高次の構造をとっています。DNA は主に染色体として存在します。遺伝情報を読み取ってタンパク質へと変換する翻訳の場として rRNA とタンパク質からなるリボソームがあります。

細胞には細胞分裂、遺伝子発現、代謝などの機能が備わっています。細胞分裂は細胞が増殖を行なう手段であり、遺伝と進化の基本現象となります。遺伝子発現は DNA が持つ遺伝情報がタンパク質などの機能物質へと変換される過程です。代謝は原材料となる物質を摂取し、それを細胞の構成要素の構築やエネルギー生産に利用したり、その副産物を放出したりする現象であり、生物の恒常性を維持する基本的な機構です。以上のことを言い換えれば、細胞は生命現象を示す、つまり細胞そのものが生きていると言うことです。


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