真核生物の体細胞分裂


■細胞分裂

細胞分裂は、一つの母細胞が二個以上の娘細胞に増える現象です。単細胞生物では細胞分裂がすなわち個体の増殖を意味します。多細胞生物では細胞分裂によって細胞数を増やすことで個体を形成し、その後も様々な生物現象に伴って細胞分裂が起きます。

一般に真核細胞では、細胞分裂に先立って細胞の構成成分が倍加し、準備が整うとまず核分裂が起こり、引き続き細胞質分裂が進みます。個体を形成するための体細胞分裂では、一個の母細胞から母細胞と同じ染色体を持つ二個の娘細胞ができます。これに対し、生殖細胞が配偶子に分化する際などにみられる減数分裂では染色体数が半減します。


■体細胞分裂の過程

細胞の活動周期において細胞分裂の期間は比較的短く、間期となる多くの時間は細胞分裂の準備に費やされます。体細胞分裂は、核分裂と細胞質分裂の二つの過程から成ります。核分裂は、染色体の形や動きによって、前期、前中期、中期、後期、終期に区分されます。以下に、この過程を見ていきます。


■前期

長く伸びていた微小管が多数の短い微小管となります。間期に複製された二つの中心体が離れていきます。ゴルジ体の構造が崩れ始めます。

左側の写真は、蛍光染料で着色されたイモリの肺細胞です。緑の糸状のものは微小管、青は細胞核とその内部の不明瞭な染色体です。核と重なって見える微小管と繋がった瘤状のものは中心体です。この写真には細胞膜は写っていません。

イモリの肺細胞は通常の細胞より大きく、観察が容易で、生化学的にヒトの肺細胞と似ているので研究によく使用されます。


■前中期

核膜が崩壊し、微小管と染色体の相互作用が可能になります。離れた二つの中心体は紡錘体極となり、そこから伸びた微小管が染色体の動原体に結合します。この微小管は動原体微小管と呼ばれます。

左側の写真で、緑は微小管と中心体、青は凝縮したばかりの染色体です。微小管と染色体の結合が始まっています。この写真には細胞膜は写っていません。


■中期

中心体が細胞の両極へ移動し、紡錘体が完成します。中期板ができ、赤道面に染色体が集まります。

左側の写真で、緑は紡錘体、赤は細胞膜とその近傍の細胞質、明るい青は染色体です。


■後期

動原体微小管が縮み、二組の染色体がそれぞれ両極へと移動します。そして、紡錘体極が離れていきます。

左側の写真で、緑は紡錘体、青は染色体です。この写真には細胞膜は写っていません。


■終期と細胞質分裂

終期には娘染色体が紡錘体極へと到達し、分解されていたゴルジ体や核膜が再形成されます。さらに、分裂溝ができて、細胞が分かれます。


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