神奈川県内の富嶽七景


■葛飾北斎の『富嶽三十六景』

『富嶽三十六景』は、葛飾北斎が長年習得してきた和漢洋の技法を融合して完成させた晩年期の作品です。これによって、浮世絵版画に初めて本格的な風景画がもたらされました。初版は文政六年(1823年)頃より作成が始まり、天保二年(1831年)に発表されました。当初は三十六図で終結する予定でしたが、作品が人気を集めたため十図が追加され、合計四十六図が作成されました。


■神奈川県内の七景

現在の神奈川県内に取材した作品は七点あります。神奈川と保土ヶ谷は武蔵国、七里ヶ浜・江ノ島・中原・梅沢・箱根は相模国になります。いずれも東海道に沿っていることが注目されます。


■神奈川沖浪裏

神奈川は、川崎宿と保土ヶ谷宿の間の宿場でした。現在は横浜市神奈川区に属します。図は、東京湾とは思えない大波を描いています。船客は、ジェットコースターで遊んでいるかのようにも見えます。欧米では、津波を描いたと解釈されることがあるようです。


■東海道程ヶ谷

保土ヶ谷は、神奈川宿と戸塚宿の間の宿場でした。現在は横浜市保土ヶ谷区に属します。図は、松並木の街道を行く人々を描いています。


■相州七里濱

七里ヶ浜は、鎌倉市の稲村ヶ崎から小動崎までの海浜です。図は、七里ヶ浜から西に富士を望んでいます。位置的には江ノ島が視界に入りそうですが、中央の木が聳えた岩礁は小動崎でしょうか。


■相州江の島

江ノ島は、藤沢宿の南に位置し、現在は藤沢市に属します。図は、干潮時に現れた砂州を通って江ノ島へ渡る人々を描いています。


■相州仲原

中原は、平塚宿を北に半里のところにあり、現在は平塚市に属します。図は、川沿いを行く人々の生業の姿を描いています。


■相州梅沢庄

梅沢は大磯宿と小田原宿の間にあり、梅の木が多かったのでこの名が生じたといわれます。現在は二宮町に属します。図は、鶴の遊ぶ丘陵の風景を描いています。


■相州箱根湖水

芦ノ湖は、箱根山のカルデラ湖です。湖畔には箱根宿と関所が設けられていました。図では湖畔に、杉の木立に囲まれた箱根神社が描かれています。


【グレゴリウス講座について】

当サイトの「グレゴリウス講座」は、関心を持ったテーマをミニプレゼンテーションにまとめることを試みています。内容の妥当性を心がけていますが、素人の判断の域を出ませんので、ご了承ください。


◇HOME:グレゴリウス講座