死者の書


■死者の書

『死者の書』は、古代エジプトで死者とともに埋葬されたパピルスの巻き物です。おもに、絵とヒエログリフという神聖文字で構成されています。死者の霊魂が肉体を離れてから冥府の国に入るまでの過程を描いています。


■死者の裁判

死者は、裁判にかけられます。秤には真実の羽根と死者の心臓がそれぞれ乗っており、魂が罪で重いと、秤が傾きます。秤の目盛りを見つめるのはアヌビス神です。死者が真実を語れば、ホルスによってオシリスの治める死後の国へ導かれます。嘘偽りであれば、アメミットという魂を食らう鰐に似た怪物に食べられます。


■アヌビス

アヌビスは、セトの妻であり妹でもあるネフティスが、兄のオシリスとの不倫によって身篭もった子です。犬またはジャッカルの頭部を持つ半獣の姿で描かれます。

オシリスがセトに殺された時、アヌビスがオシリスの遺体をミイラにしました。オシリスが冥界の王となった後、アヌビスはオシリスを補佐し、天秤を用いて死者の罪を量る役目を担います。


■アメミット

アメミットは、冥界の転生の裁判において、天秤にかけられた真実の羽よりも重かった死者の心臓を貪り喰らいます。喰われた魂は、二度と転生できません。それは、永遠の破滅を意味します。

アメミットのモデルは、大鰐であるとされます。古代エジプトでは、鰐を神獣として大切に飼っていたという記録が残っています。鰐は、最高級の肉を食べさせられ、ワインまで与えられていました。


■ホルス

ホルスは、オシリスとイシスの間に生まれた子です。叔父に当たるセトと激しい戦いを繰り広げ、父オシリスの仇討ちを果たします。ホルスは、オシリスから地上の王権を譲位されます。

ホルスは、隼の頭をした男性として表現されます。『死者の書』では、真実を語った死者をオシリスの治める死後の国へ導く役目を担います。


■オシリス

オシリスは、生産の神として、またエジプトの王として君臨していましたが、弟のセトに謀殺されました。遺体はばらばらにされて、ナイル川に投げ込まれましたが、妻であり妹でもあるイシスによって拾い集められ、ミイラとして復活します。以後は、冥界の王として君臨し、死者を裁くことになります。

神の死と復活のモチーフは、冬の植物の枯死と春の新たな芽生えを象徴しており、オシリスにも植物神もしくは農耕神としての面があるとされます。


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