コヴェントリー・キャロル


■COVNTRY CAROL(コヴェントリー・キャロル)の概要

コヴェントリー・キャロルは、十六世紀に作られたとされるクリスマス・キャロルです。イギリス中部の都市コヴェントリーで、『羊毛刈り職人たちと仕立屋たちの芝居』という聖史劇の中で歌われました。

この聖史劇は、新約聖書『マタイによる福音書』第二章のキリスト降誕の物語を題材としています。

劇中でキャロルは、ヘロデ大王がベツレヘムにいる二歳以下の男児をすべて殺すように命じたという幼児虐殺事件をとりあげ、死に運命づけられた子供に対する母親の嘆きを印象深く歌っています。

画像は、フラ・アンジェリコ作「ベツレヘムの幼児虐殺」です。


■COVNTRY CAROL(コヴェントリー・キャロル)の歌詞

Lully, lullay, Thou little tiny Child,
おやすみ、小さな可愛い子
Bye, bye, lully, lullay.
よしよし、おやすみ
Lullay, Thou little tiny Child,
おやすみ、小さな可愛い子
Bye, bye, lully, lullay.
よしよし、おやすみ

O sisters too, how may we do,
姉妹たちよ、どうしましょう
For to preserve this day.
この日を持ちこたえるために
This poor youngling for whom we do sing
私たちが歌いかける哀れなこの子よ
Bye, bye, lully, lullay.
よしよし、おやすみ

Herod the king, in his raging,
ヘロデ王が怒り狂って
Charged he hath this day.
今日命令を下した
His men of might, in his own sight,
前に侍る屈強な兵士たちに
All young children to slay.
幼い子供たちをすべて殺せと

That woe is me, poor Child for Thee!
私は悲嘆にくれている、哀れな子よ、おまえのために
And ever mourn and sigh
嘆きと溜息は絶え間なく
For Thy parting neither say nor sing,
おまえとの離別には、言葉も歌もない
Bye, bye, lully, lullay.
よしよし、おやすみ

画像は、フランソワ=ジョゼフ・ナヴェス作「幼児虐殺」です。

◇LINK (new):https://www.youtube.com/watch?v=K6gTjdUGY7E


■参考:新約聖書『マタイによる福音書』第二章

◆イエス・キリストの誕生
イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、言った:「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです」。 これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。
王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。彼らは言った:「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています:『ユダの地、ベツレヘムよ、お前はユダの指導者たちの中で、決していちばん小さいものではない。お前から指導者が現れ、わたしの民イスラエルの牧者となるからである』」。
そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムへ送り出した。
彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て喜びにあふれた。家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。

◆エジプトに避難する
占星術の学者たちが帰って行くと、主の天使が夢でヨセフに現れて言った:「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている」。
ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトへ去り、ヘロデが死ぬまでそこにいた。それは、「わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した」と、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。

◆ヘロデ、子供を皆殺しにする
さて、ヘロデは占星術の学者たちにだまされたと知って、大いに怒った。そして、人を送り、学者たちに確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺させた。こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した:「ラマで声が聞こえた。激しく嘆き悲しむ声だ。ラケルは子供たちのことで泣き、慰めてもらおうともしない、子供たちがもういないから」。

◆エジプトから帰国する
ヘロデが死ぬと、主の天使がエジプトにいるヨセフに夢で現れて、言った:「起きて、子供とその母親を連れ、イスラエルの地に行きなさい。この子の命をねらっていた者どもは、死んでしまった」。そこで、ヨセフは起きて、幼子とその母を連れて、イスラエルの地へ帰って来た。
しかし、アルケラオが父ヘロデの跡を継いでユダヤを支配していると聞き、そこに行くことを恐れた。ところが、夢でお告げがあったので、ガリラヤ地方に引きこもり、ナザレという町に行って住んだ。「彼はナザレの人と呼ばれる」と、預言者たちを通して言われていたことが実現するためであった。

画像は、グイド・レーニ作「ベツレヘムの幼児虐殺」です。


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